ブックライティングとは?依頼する際の流れやブックライターの探し方を紹介
そもそも、ブックライティング(ライター)は、著書の代わりに一冊の本を書く人の事です。
著者の代わりに代筆をするので、以前は、「ゴーストライター」と呼ばれていましたが、今では巻末に「執筆協力者」としてライター名が載せられるほど公の存在になっています。
ではブックライターに依頼したい場合は、どのように探せばいいのでしょうか。
今回は、ブックライターの業務内容や依頼する際の流れ、探し方などをご紹介します。
ブックライティングとは?
ブックライティングは、著書の代わりに本を執筆する仕事です。
とは言え、全くありもしないことを執筆する訳ではありません。
取材に基づき、著書の考え方や、経験などを話してもらい文章にまとめます。
本によっては、客観的な事実を優先する部分もあり、その場合はライターが一般的な資料を調べて書くこともあります。
日本で出版されているビジネス書の約9割は、著者の代わりにブックライターが執筆しているという事をご存知でしょうか。
電子書籍の普及や活字離れの影響で、紙の書籍が売れない時代なので、多くの出版社は新刊をどんどん発行して収益を上げているスタイルを取っています。
常に、新しい企画を求められていますし、書籍の執筆機会も増えているというわけです。
ブックライティングを依頼する利点
読まれる文章になる
読まれる文章になるというのが、最大の良い点です。
ブックライターたちは、取材において読者の知りたいことを聞き、読者にとってわかりやすい言葉で表現することを得意としています。
著者自身が気付けていない、コンテンツとしての魅力を引き出せることもあります。
指定した納期に出来上がっている
ブックライティング(ライター)は、ライターの中でも専門的なライターです。
代わりに、執筆するのですから取材能力や、提案や構成や企画、記事のクオリティーも大切です。
そのようなプロのライターは、きちんと指定した納期に仕上げます。
著者や出版社の方が、「この人のビジネス書を出したい」と思うような人はだいたいの方が多忙で大忙しです。
本を一冊書く時間をなかなか確保できません。
その点、プロのライターを使えば、安定したペースで発行し続ける事が出来ます。
専門的な分野の執筆の際には、専門用語を出来るだけ使わない、原稿を読んだだけで一通りのことが理解出来るくらいわかりやすい文章を心掛けているからです。
ハイレベルな文章の本を制作してくれる
タイトル、見出し、どのような流れを含めるのかなど、著者や担当者が記事構成案(記事設計書)を作り込むことがハイレベルな本作りに欠かせません。
ハイレベルな文章ということは文章作成能力が高いということです。
伝える目的を明確にしなければ、必要な情報と伝え方が決まりません。
主張の根拠となる情報を集めることで、読み手が納得出来る文章にできます。
伝えたい相手になりきり、伝わる文章を書くことが出来るので読み手が正しく理解できます。
読み手に行動を促すこともできます。
このような文章を書けることが、ハイレベルな文章の本を制作することにも繋がります。
ブックライティングの流れ
ブックライティング(ブックライター)の一通りの流れをご紹介します。
- 企画を通す
- 構成を作る
- 著書へインタビューをする
- テープ起こしをする
- 執筆をする
- 校正・校閲を行なう
- 初稿を納品する
- 修正した上で最終納品へ
企画を通す
執筆する本や概要、簡単な文章などの企画を練る事です。
出版社側から、キーワードを頂いて作る事もありますし、本を作成したい方から複数のテーマを用意して提出する事もあります。
「とにかく、たくさんのテーマが欲しい」などと要望があれば、表計算ソフトで一覧にして提出します。
出版社から企画を出す場合は、今までに出した本や、近年の旬な話題などを吟味し「売れるテーマ」を提案します。
また、企画段階で著者の候補を数名ほど選定します。
構成を作る
構成案は、編集者がつくる場合もあれば、ライターがつくる場合もあります。
どちらかと言えば、取材前にまず編集者がつくる場合が多いです。
編集者は取材前に著者と数回打ち合わせを重ねているので、打ち合わせをもとに構成案を作成し、それを著者・ライター・編集部内で共有します。
その後、書籍の章立てを作っていきます。
その章の見出しをまとめ、場合によっては、小見出しもいくつか作ります。
著者へインタビューをする
一冊の本を作るのに、だいたい4時間から10時間ぐらいです。
時には、5時間✕2日間かかることもあります。
遅くとも取材の一週間前までには、取材対象である筆者に質問を一覧にしてお送りするようにします。
また取材の際に、「一般の人がどういった情報を求めているのか?」などはライターの質問でわかるそうです。
テープ起こしをする
インタビューが終わったら、インタビューの内容をすべて文字にします。
テープ起こしと言います。
例えば、約12時間分のテープを原稿にプリントアウトすると、404ページにもなります。
その原稿文を読み返し、ただ文章に起こすだけではありません。
テープ起こしの種類:ケバ取り
会話や発言の中で出てくる言い回しや、良い違い、「えー」、「あのー」などのフィラーワードを取り除いた上で、書き起こしを行います。
文字起こしでは、もっとも一般的な起こし方で音声を文字にした際に読みやすくなります。
テープ起こしの種類:素起こし
発言の内容を、そのまますべて文字に書き起こします。
言い直しや言い間違い、「あのー」「えー」などのフィラーワードも、そのまま書き起こします。
内容の正確性が重要な場合や会話の雰囲気、発言者の特徴などを確かめたい時に最適です。
執筆する
テープ起こしの後、文面全体を通して、原稿を読み改めて執筆作業です。
どんな流れの本にするのか、当初の構成案をベースに目次を作り章立てをします。
原稿を書いていく中で、内容が少しずつ変わりまた前後するので、その度に「バージョンアップ」して目次は最終的に進化していきます。
一章ずつ書いていきますが、一つずつの項目を見てみると文章は長くても1,000〜 3,000文字程度ぐらいです。
これも書く本によります。
10万字も書くのは大変な作業です。
10万字と思うと気が遠くなりそうですが、50項目で250枚(10万字)と考えながら作業すると少し気が楽になります。
●校正・校閲を行なう
校正とは、主に文章の誤字や脱字を正すことをいいます。
仮名や漢字の使い方が誤り変換ミス、漢数字とアラビア数字の区別、複数の表記方法がある漢字の使い方など表記を正して統一するのが校正の役割です。
●初稿を納品する
ライターから原稿が提出され、校正・校閲を終え試し刷りが行われます。
これを初稿と言います。状況によっては、ライターに差し戻しなどもします。
修正結果を反映して、試し刷りを行い2回目の校正・校閲を行います。
●修正した上で最終納品へ
最終納品までは「責了」「念了」「校了」があります。
責了:残るミスがちょっとした誤字脱字のみなど、簡単なミスしかないときに使います。
これ以上の修正箇所があってもライターには返さず校正担当者の責任で修正するという意味です。
念了:最終チェックをします。
校了:修正が全て完了し、印刷ができる状態になったことを示します。
校了が出ると最終納品となり印刷します。
ブックライターの探し方
知り合いにいないか探す
出版社や編集プロダクションに、勤めている知り合いがいたら、知り合いにブックライターさんがいないか聞いてみると良いでしょう。
書籍のデザイナーさんやカメラマンさんの知人がいれば、そちらに尋ねてみるのも良い方法です。
クラウドソーシングサイトを利用する
ブックライターに依頼するには、候補者探し・選定・交渉・契約という流れになっています。
ブックライターはフリーで働く人が多い職種です。
まずは、ブックライラーの登録が多い、クラウドソーシングで探す方法があります。
その中から、依頼したいライターを選定し候補者を選びます。
非常に多くのライターがいるため、自身に合うライターを見つけることが重要です。
ライターを選ぶ際には、ライターの経験歴・得意ジャンルなどを判断材料にします。
個人サイトやSNSなどをチェックする
近年、ソーシャルメディアや個人サイト、SNSでブックライターを公表している人も少なくありません。
「ブックライター」「ゴーストライター」などで検索すれば、ブックライティングを依頼できる人が見つかるはずです。
ブックライターが見つかったら、メールやSNS、個人サイトの問い合わせフォームから連絡をとります。
まずは、書籍制作の予定があり、ブックライターをさがしていることを伝え、過去の執筆した原稿を見せてくれるよう依頼しましょう。
ブックライティング専門サイトを利用する
ブックライティングサービスというサイトもあります。
ビジネス・食品・健康・教育・どんな記事でもお任せ下さいと記載されています。
依頼した際は打ち合わせと内容のチェック以外、特に何もすることはありません。
しかし、ブックライティングサービスによっては、低予算で速く執筆することが出来るという広告もたくさん見かけます。
費用だけで、選ばないようにしましょう。
ライターを選ぶ際には、ライターの経験歴、得意なジャンルなどを判断材料にします。
その他、依頼した業者としっかりコミュニケーションを取ることも大切です。
実際にやりとりを行ってみて信頼出来るライターかどうかを判断しましょう。
ブックライティングで出版を!
本記事ではブックライティングの流れやブックライターの探し方を紹介しました。
ブックライティングには多くの工程があり、1冊の本にするまでには多くの時間が掛かります。
そのため、ブックライティングサービスに依頼することをお勧めします。
また、ブックライティングで実際に出版する前には、あらかじめ書きたいテーマを明確にしておくことも大切です。
例えば、50歳を機にシニア向けに老後のお金、相続、お墓など「老後」に関するライティングを出版してみるのも良いでしょう。
ビジネスをしているのであれば、ビジネスに関する書籍で自社をアピールする方法もあります。
「本を出版したいけれど、自身で文章を執筆することが難しい」と感じている方は、ぜひブックライティングを活用してみましょう。